これまでの経験が活かせない場合も
皮膚科で働くことにはデメリットもある
皮膚科は看護師にとってメリットが多い人気の転職先ですが、いくつかのデメリットもあります。一般的な看護師転職は過去の経験が武器になるものです。しかし、看護師が他の診療科から皮膚科へ転職する場合には、過去の経験があまり活用できません。患者が感じる皮膚の異常の多くは皮膚科ならではの訴えであり、他の診療科で特殊な皮膚疾患を診察することはほとんどありません。どの診療科であれ看護師として最低限持っておくべき知識は同じでも、皮膚科特有の知識は皮膚科でしか学べないことが多く、どんなに経験がある看護師でも一から覚えなければならない知識がたくさんあります。
皮膚科の患者は、火傷やかぶれなど突発的な症状で来院する人が多いため、予約状況でその日の来院者数が読めないところがあります。そのため、当初予定していた以上の患者を診療しなければならず、残業が発生しやすい側面があります。皮膚疾患は年齢に関係なく発症するものなので、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層と接する機会が多くなります。年齢層によって接し方や説明の仕方が異なるので、臨機応変に対応していく能力が求められます。この点で苦手意識を持つ看護師にとって、皮膚科はやややりにくい環境に感じられるかもしれません。
皮膚科で扱う器具は特殊なものが多く、初めて皮膚科を担当する看護師にとっては新たに覚えなければならないものだらけです。器具の準備は看護師の仕事なので、早く確実に覚えなければならないことがストレスに感じられることもあります。これと同様に薬品も皮膚科ならではのものが多く、薬品名や種類をはじめ、どこにどのぐらい塗布するかも覚えなければなりません。デメリットをまとめると、他の診療科にはない多くのことを覚えなければならず、人によっては苦労する可能性があるということです。
患者から感染してしまうこともある
皮膚科で怖いのが、皮膚疾患を持つ患者からの感染です。皮膚疾患の中には、接触感染するものもあります。皮膚科の看護師である以上、その場での処置が必要な患者であれば相手がどのような疾患であれ処置をしなければなりません。処置が必要となれば当然患者との距離は近くなり、薬を塗布したりガーゼを当てたりするなどの処置の際に感染してしまうリスクにさらされます。皮膚科で処方される薬は外用薬が多いため、院内での処置の頻度も高めです。院内感染のリスクは、感染する恐れがある病気を扱う診療科であればどこであっても避けられないものです。皮膚科で働く看護師は、あらかじめ感染のリスクを承知しておく必要があるでしょう。
皮膚科看護師になりたい
ワークライフバランスがとりやすい
美容皮膚科で働くメリットは、ワークライフバランスがとりやすいことです。一般的な看護師には日勤と夜勤があり、急な残業が発生することもありますが、美容皮膚科の看護師の仕事には夜勤や残業がありません。業務はスケジュールに沿ったもので、救急患者や重症患者に対処する必要もありません。美容皮膚科はサービス業なので、利便性を重視して立地を良くしている施設が多いのも特徴的です。駅の近くのクリニックであれば通勤時間の短縮にもなります。
重視されるのは志望動機
皮膚科看護師の転職成功の秘訣は、志望動機をしっかりとまとめるところにあります。ただ単に転職したいという希望ではなく、皮膚科で働きたい意思を強く明確に示せるだけの志望動機を考えましょう。転職を考えるようになったきっかけはネガティブなものかもしれませんが、視点を変えればポジティブなものに言いかえることができます。よくある志望動機の例文は参考になりますが、丸写しのような内容にならないよう注意しましょう。